<評価>前頭葉機能検査であるFrontal Assessment Battery(FAB)の方法とカットオフ値

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野口
野口

今回は、「前頭葉機能を評価する方法として、FABというものがあると聞いたのですが、FABとはなんですか?」という質問に対して答えたいと思います。

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Frontal Assessment Battery(FAB)とは

Frontal Assessment Battery(FAB)は、 2000 年にDuboisらにより発表された検査であり、類似性の理解(概念化)、語の流暢性(思考の柔軟性)、運動系列(運動プログラミング)、葛藤指示(干渉刺激に対する敏感さ)、Go/No – Go 課題(抑制コントロール)、把握行動(環境に対する被影響性)の 6 つのサブテストで構成されています。

FABは、前頭葉機能のスクリーニング検査として広く知られています

※FABには、いくつかの日本語版が存在していますが、いずれの日本語版も原著に忠実であり、大きな差異はないと考えられています。

Frontal Assessment Battery(FAB)の特徴

実施が簡単であり、15分程度で検査を行うことができます

そのため、対象者の負担も大きくならずにすみます。

簡単に使用できることから臨床場面でもよく使用されています。

しかし、FABが前頭葉機能を特異的に評価することができるか否かは議論の余地が残っています。

FAB は様々な下位検査を総合して得点化している.

それぞれはいわゆる前頭葉機能に関係すると言われている検査であるが, 類似性の理解には知能, 運動系列には錐体外路症状や失調,失行などの運動機能,葛藤指示・ Go/No – Go 課題には記憶がそれぞれ関与していることから,それらを足し合わせたことにより前頭葉以外の機能障害の影響をも合計したことになる。

佐藤正之:前頭葉の機能解剖と神経心理検査:脳賦活化実験の結果から. 高次脳機能研究 32(2): 43-52. 2012.

準備するもの

・机と椅子

・鉛筆

・評価用紙

・ストップウォッチ

検査方法

検査用紙の内容を確認しながら検査1番から用紙に沿って、質問していきます。

検査1番は概念化の項目です。

まずは、練習から始めます。

「これから言う2つのものは、どこが似ているか考えて答えてください。まずは練習してみますね。『電車』と『バス』」

と文章を読み上げて、対象者に回答してもらいます。

※具体的な方法に関しては、検査用紙に記載されていますので安心してください。

練習問題が終わると、本番に移ります。

「バナナ」と「みかん」は?

正答が出なくてもヒントを与えずに先に進んでいきます。

15秒程度なにも反応がなければ次の質問へと進めていきます。

このようにして検査を1から6まで進めていきます。

(検査用紙についてはリンクを設定しておりません。よければ「FAB, 検査用紙」で検索してください。)

採点方法

各項目の採点基準について、検査用紙の横に記載されています。

類似性の理解(概念化):0-3点

語の流暢性(思考の柔軟性):0-3点

運動系列(運動プログラミング):0-3点

葛藤指示(干渉刺激に対する敏感さ):0-3点

Go/No – Go 課題(抑制コントロール):0-3点

把握行動(環境に対する被影響性):0-3点

合計 18点満点

※採点基準に関しては、検査用紙に記載されていますので安心してください。

各平均値

疾患別でみると、

健常高齢者(平均年齢63.7歳):FAB 15.0±1.6点、MMSE 28.2点

アルツハイマー病群(平均年齢75.3歳):FAB 9.5±2.9点、MMSE 19.3点

Kugo A, et al: Japanese version of the Frontal Assessment Battery for dementia. Psychiatry Res 153(1): 69-75. 2007.

年齢別でみると、

20-29歳:FAB 16.7±0.8点

30-39歳:FAB 17.0±0.8点

40-49歳:FAB 16.1±1.0点

50-59歳:FAB 15.3±1.4点

60-69歳:FAB 14.6±0.9点

70-79歳:FAB 14.4±1.3点

寺田・他:Frontal Assessment Battery(FAB)の年齢による効果. 神経心理学 25(1): 51-56.2009.

カットオフ値

カットオフ値は、11/12点に設定されています。

FABは、前頭葉以外の機能障害の影響も合計して点数化していることから、11点以下であるから前頭葉機能の障害あり。とすぐに決めつけずにその他の評価と組み合わせることによって判断するとよいでしょう。

一例として、MMSEとFABを組み合わせた場合、

MMSEが比較的良好であるにも関わらず、FABの得点が10点以下の場合には、前頭葉機能を反映する注意や思考障害が疑われる。

仲秋秀太郎・他:Frontal Assessment Battery(FAB) の有用性. 老年精神医学雑誌 29(11): 1167-1174. 2018.

今回は、「前頭葉機能を評価する方法として、FABというものがあると聞いたのですが、FABとはなんですか?」という質問に対して、FABは、前頭葉機能のスクリーニング検査として広く知られています。

カットオフ値である11点以下であった場合はMMSEなどのその他の検査と組み合わせて総合的に判断するようにしましょう。と回答させていただきます。

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